「御留守居証文」を携えた出女が関所に差し掛かると、まずは江戸口千人溜りで待機します。やがて関所役人から「こちらへ」と声がかかり、関所構内へと入り、居並ぶ関所役人の前へ進みます。ここで、関所役人に箱根関所あての「証文」を差し出すのです。役人は「証文」の文面を確認した後、女性を検査する専門官に改めを指示します。この人は、「人見女」と言われる役人ですが、たいていお婆さんで、「改め婆」などと呼ばれ、女性の旅人から恐れられていました。「改め婆」は、出女の髪を解き、「証文」に記載されている髪形や特徴を調べるのです。「改め婆」は検査の結果を役人に告げ、異常がないことが確認されれば、関所を通る許可が下ります。もし「証文」記載と一致しなければ、関所を通ることはできず、「証文」の取り直しが命ぜられます。
なお、女改めが行われている時は、他の旅人は関所構内に入ることはできず、江戸口・京口の両千人溜りで待たされることになります。
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