江戸時代、幕府は、江戸を守るために全国の街道の要所に関所を作りました。江戸時代第一の街道である東海道の重要な関所として、旅人の関所通行手形や証文をあらため、怪しい人物が通らないように監視していたのが箱根関所です。特に、江戸から京都方面へ向う「出女」には厳しい取調べが行われていました。
箱根関所で、江戸時代体験。
箱根関所はこんな造りになっています。
京口御門
(きょうぐちごもん)
箱根関所の京都側の門。江戸口御門と同じく、「明け六つ」(日の出)から「暮六つ」(日の入り)の間だけ開いていました。
厩
(うまや)
2頭の馬がつながれていました。この時代の馬はずんぐりとして背丈もロバぐらいしかありません。今のスラリとした馬とはずいぶん違いますね。
京口千人溜
(きょうぐちせんにんだまり)
京都方面からの旅人は、ここで順番を待ちます。大名行列が通るときは、たいへんな混雑だったことでしょうね。
大番所・上番休息所
(おおばんしょ・かみばんきゅうそくじょ)
小田原藩の家紋を染めた幕が張られている大番所には、旅人の手形を調べる面番所があります。上番休息所は身分の高い役人が寝泊まりする所です。お風呂には湯船がなくて、沸かしたお湯を浴びていました。
足軽番所
(あしがるばんしょ)
ここには、関所の見回りなどをする足軽という役人たちがいました。関所破りをすると、番所の前にある「三ツ道具」という槍のような道具で取り押さえられて、「獄屋」(牢屋)に入れられてしまうのよ。
雪隠
(せっちん)
トイレです。お役人専用の上番所下雪隠と、足軽が使う足軽番所雪隠がありました。旅人は使えませんでした。
遠見番所
(とおみばんしょ)
関所で二階建てはここだけ。芦ノ湖に怪しい人がいないか夜も昼も休みなく見張っていました。69段の階段をのぼって足軽の気分を味わってみて。
江戸口御門
(えどぐちごもん)
箱根関所の江戸側の門。開くのは日の出から日の入の間だけなので、小田原宿から関所へ向う旅人は、早起きして箱根の山をのぼりました。
江戸口千人溜
(えどぐちせんにんだまり)
江戸方面からの旅人は、ここで関所改めの順番を待ちました。
矢場
(やば)
弓や鉄砲の練習はここでしました。
知っているとちょっと自慢したくなる 箱根関所 豆知識
将軍に献上する象も通った箱根関所。
長崎から江戸へ向かった象は、箱根山で病気になりました。好物のおまんじゅうやミカンを与えて看病したかいあって元気になった象は将軍にお目見えし、江戸の人気者になりました。箱根関所資料館で確認してみてね。
長崎から江戸へ向かった象は、箱根山で病気になりました。好物のおまんじゅうやミカンを与えて看病したかいあって元気になった象は将軍にお目見えし、江戸の人気者になりました。箱根関所資料館で確認してみてね。
東海道の旅人は、1日10時間も歩きました。小田原宿から箱根関所まで、急な上り坂が続く箱根路を草鞋で歩くのは大変なことだったでしょう。ふつうの旅人は、江戸を出発すると神奈川(横浜)・戸塚あたりで1泊、2泊目は小田原に泊まり、3日目のお昼ごろに箱根関所に到着しました。
東海道の旅人は、1日10時間も歩きました。小田原宿から箱根関所まで、急な上り坂が続く箱根路を草鞋で歩くのは大変なことだったでしょう。ふつうの旅人は、江戸を出発すると神奈川(横浜)・戸塚あたりで1泊、2泊目は小田原に泊まり、3日目のお昼ごろに箱根関所に到着しました。
関所のお役人は小田原藩から単身赴任していた。
役人の多くは、小田原藩士がひと月交替でお役目にあたりました。茶わんや米などを持って来て、関所で寝泊まりしていたので、休息所には台所やお風呂があります。上番休息所をのぞいてみてね。
役人の多くは、小田原藩士がひと月交替でお役目にあたりました。茶わんや米などを持って来て、関所で寝泊まりしていたので、休息所には台所やお風呂があります。上番休息所をのぞいてみてね。
箱根関所で一番大事なものは「高札」なんです。
江戸口御門を入ってすぐ右手にある高札には「 笠や頭巾をはずすこと」「証文のない女の人は通れません」など、5つの決まりが書かれています。内容は関所資料館で確認してね。
江戸口御門を入ってすぐ右手にある高札には「 笠や頭巾をはずすこと」「証文のない女の人は通れません」など、5つの決まりが書かれています。内容は関所資料館で確認してね。
箱根関所が黒々としている3つのワケ。
建物や柵に塗られた「渋墨塗り」は、松を燃やしたススと渋柿の成分をまぜたもの。木が腐ったり、虫がつかないようにするほか、立派な建物に見えるようにという目的もあったとか。さわるとつくので気をつけてね。
建物や柵に塗られた「渋墨塗り」は、松を燃やしたススと渋柿の成分をまぜたもの。木が腐ったり、虫がつかないようにするほか、立派な建物に見えるようにという目的もあったとか。さわるとつくので気をつけてね。
関所破りで獄門になったおたまちゃんの物語。
今から300年ほど昔、江戸へ奉公に出たおたまちゃんは、故郷が恋しくて関所破りをしてしまいました。箱根関所には6人の関所破りが確認されていますが、その1人がまだ少女だったおたまちゃんです。おたまちゃんは獄門(死刑)になりましたが、今の時代に甦り、お杉ちゃんと箱根関所のアイドルとして活躍しています。おたまちゃんの話は、関所資料館にあるよ。
今から300年ほど昔、江戸へ奉公に出たおたまちゃんは、故郷が恋しくて関所破りをしてしまいました。箱根関所には6人の関所破りが確認されていますが、その1人がまだ少女だったおたまちゃんです。おたまちゃんは獄門(死刑)になりましたが、今の時代に甦り、お杉ちゃんと箱根関所のアイドルとして活躍しています。おたまちゃんの話は、関所資料館にあるよ。
またの名は改め婆。出女を取り締まる女性の役人「人見女」。
人見女は、女の人が証文に書かれたとおりか調べるのが役目です。体つき、ほくろ、髪の毛の特徴などをこまかく改めるので時間がかかり、江戸末期には、江戸口御門の前が渋滞しました。関所資料館にも人見女のコーナーがあるよ。
人見女は、女の人が証文に書かれたとおりか調べるのが役目です。体つき、ほくろ、髪の毛の特徴などをこまかく改めるので時間がかかり、江戸末期には、江戸口御門の前が渋滞しました。関所資料館にも人見女のコーナーがあるよ。
箱根関所資料館に行ってみよう。
箱根関所資料館に行ってみよう。
「箱根関所資料館」は、江戸時代の旅人が実際に身につけていた旅支度や、関所で起こった様々なニュースを知ることができる宝箱のような資料館。
おたまちゃんやお杉ちゃんと一緒に、箱根関所のヒミツを探りにLet's Go!